自律神経の乱れを改善しよう
2018-10-05
自律神経失調症は正式な病名ではありません。
西洋医学では病気か否かを判断するため、検査し結果を数値化します。
そして「ここからここまでは正常」「ここからは異常」と判断するためのラインを設けています。
自律神経失調症を判断するための検査はあるようですが、他の病気が原因であることもあり、自律神経がそもそも悪いのか特定し難いようです。
そのことから、自律神経の乱れによる症状をまとめて自律神経失調症と呼んでいるというのが実状のようです。
よく聞く自律神経って結局どういうこと?
私たちは意識をしていなくても呼吸をして、心臓が動き、体が熱いと汗をかいて体温を下げようとする、生きていくために様々な働きが備わっています。
その働きをコントロールしてくれているのが自律神経です。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つがバランスを取りあって体中に分布し、細やかなコントロールをしています。
交感神経とは活動時に優位になる神経で、副交感神経とはリラックスしている時に優位になる神経です。
交感神経は、緊張状態や激しい運動をしている時や、仕事に追われてプレッシャーを感じているような時に働きます。「戦っているときの状態」がイメージしやすいかもしれません。
日中は仕事など活動をするための交感神経が優位で、夜はリラックスして眠るための副交感神経が優位であることが、心身共に良い状態を維持するための必要なバランスです。
一日を振り返るといかがですか?
リラックスをしている時間が多く、副交感神経を働かせている時間が長い!という方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。
私たち現代人はストレスも多く、交感神経を働かせることの方が得意で、リラックスをすることが下手になり副交感神経の働きが鈍っています。
それにより様々な不調に悩まされる人が多くなっています。
自律神経失調症の原因とは
自律神経が乱れる大きな要因は一般的に「ストレス・生活習慣・女性ホルモンや甲状腺ホルモンの影響」と言われています。
1.ストレス
ストレスによって緊張状態に強いられると、交感神経が刺激されます。
2.生活習慣
昼夜逆転などの生活習慣の乱れによって、副交感神経の働きが低下。
3.ホルモン
甲状腺ホルモンは交感神経を刺激し、女性ホルモンは減少すると視床下部内で混乱がおき自律神経が乱れます。
東洋医学でみてみると、自律神経が乱れる原因は気が足りない状態(気虚)や気が滞っている(気滞)状態とされています。
元気の気、ヤル気の気と同じ「気」と呼ばれる目には見えない生命エネルギーは、カラダを巡る働きをしています。
カラダを巡ってくれるはずの気が不足していたり、巡りが悪い状態が続いていたりすると自律神経失調症でいわれる様々な不快症状があらわれてくるようになります。
西洋医学では、不快な症状ひとつひとつに対してお薬を処方して症状の改善をしていきます。
東洋医学では、不快な症状を改善するために気血のめぐりを良くする=五臓六腑を整えることで症状の改善をしていきます。
気血の巡りが良くなる東洋医学
では気血のめぐりを良くする=五臓六腑を整えるとは、鍼灸ではどんなことをするのでしょうか?
気は自らカラダを巡る働きがありますが、血(血液)は自らカラダを巡らないので、気の力によって血(血液)は全身に運ばれて栄養を行き渡らせます。
カラダには電車で例えると361ヵ所の駅があり、その駅がツボ(経穴)で、駅をつなぐ路線が経絡(けいらく)と呼ばれ五臓六腑につながっています。
五臓六腑につながる路線の駅、ツボ(経穴)に対して刺激を与えることで、五臓六腑を整えていきます。
これは、私たちのカラダが持っている「体性-内臓反射」という機能(皮膚からの刺激により、臓器の機能を活性化させることができる)を利用しています。
脈診・腹診・背候診などでカラダの状態をみて、手足に鍼やお灸を用いて臓器の機能を活性化させ、本来の働きに戻るよう促していきます。
それが「気血のめぐりを良くする=五臓六腑を整える」というわけです。
カラダの働きのバランスを整えて、自律神経失調症の改善=不快症状の緩和を図ります。
他にもカラダには自律神経に深く関わりのある筋肉がり、その筋肉を緩めてあげることで自律神経の乱れを整えることができたりもします。
鍼灸は本来のカラダが持つさまざまな機能を活性化させることを得意としています。
当院での診察(脈診・腹診・背候診)についてはこちら
自律神経失調症の症状とセルフケア
慢性的な疲労、だるさ、めまい、立ちくらみ、偏頭痛、動悸、ほてり、不眠、便秘、下痢、食欲不振、頭重感、吐き気、微熱、耳鳴り、手足のしびれ、口やのどの不快感、頻尿、残尿感、イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、やる気が出ない、ゆううつになる、感情の起伏が激しい、あせり等々
さまざまな不快症状がありますね。
不快症状が続いていても頑張って仕事をしたり、たまの休みで疲れていても無理に遊びに行ってみたり、リラックスした方が良い夜にも家事に追われていたりと交感神経ばかり刺激してカラダに無理をさせていませんか?
良い活動をするためには、良い休息がカラダには必要です。上記のような症状があるのであれば、思い切ってリラックスできる時間を取り、ゆっくり寝るのもセルフケアのひとつです。
自律神経の乱れを整えるには、温泉やお風呂につかったり、ストレッチやヨガなど体を動かすことや、アロマテラピーで良い香りに包まれたり音楽を聞くのもセルフケアになります。
香りは一瞬で脳に刺激を与え心とカラダに良い変化をおこすことができるので、ずぼらさんでも簡単にできるアロマテラピーを試してみるのはいかかでしょうか。
好きな香りや柑橘系の香りから始めてみるのをおススメします。
まずご自身でできるセルフケアを日々のなかで取り入れてみましょう。
さまざまな不快症状でお悩みの方はいつでもご相談ください。